GoTo トラベルで沖縄へ!

今週はいつもの京都ではなく、沖縄の恩納村からこのブログを執筆しています。GoTo トラベルを利用して、久しぶりの県外旅行に来ました。GoTo は新型コロナウイルスによって打撃を受けた旅行・飲食・イベントなどの事業者を支援する目的で始まった需要喚起事業です。

▲ 上限はありますが、利用者は35%と15%を合わせた5割引きで旅行に行けます。利用回数には制限がないので対象期間の2021年2月1日チェックアウトまでは何度でも割引きを利用できます(www.sankei.com/

旅行費の還元キャンペーンであるGoTo トラベル、開始当時は新型コロナウイルスの感染拡大が懸念される東京都を対象外としたり、観光業者や宿泊施設に対する説明不備などがニュース報道やブログで幅広く取り上げられました。Goto 「トラブル」と比喩され、ネガティブなパブリックイメージでスタートしています:

「GoTo キャンペーン」の要約&図解を公開します:
https://note.com/lng/n/n96c1c4520bab

なぜ、こんなに判りにくいのか?GoTo トラベルキャンペーンの使い方6箇条:
https://news.yahoo.co.jp/byline/nakamuratomohiko/20200819-00193668/

コロナ感染が懸念される時期に旅行にでかけて良いのかといった思いもありましたが、受け入れ先では安心安全対策が導入されているようでしたし、3密を避け電車で飛行機ではマスクを着用するなど注意を心がければ、普段より手頃な割引き価格で旅に出かけられるチャンスでしょう。

フライトや新幹線、レンタカーなどを単体して予約しても割引きの対象外です。マイカーや貯まったマイレージを使わない限り、旅行会社からパッケージツアーを購入するのが最も割安なケースでしょう。様々なサイトをチェックしましたが、JTB や近畿日本ツーリスト、日本旅行といった大手が参画し、いち早くGoToトラベルに対応しているようでした。

今回は LCC の Jetstar が独自の割引プランを実施していたので、フライトと宿泊を別々に予約しました。ホテル予約はポイントを予約時に使えばGoToトラベルの割引(35%)に加えて5%の上乗せ値引きも受けられるヤフーの一休(www.ikyu.com)から予約しました。

ネット記事を読んでいると、GoToトラベルでは低価格帯よりもより割引きのお得感が得られる、高額めの宿泊施設が人気なようです。

「Go To」民宿は蚊帳の外 開始2カ月で高級旅館に人気集中:
www.sankeibiz.jp/business/news/200923/bsd2009230500002-n1.htm

▲ Jetstar の割引キャンペーン、LCC は定期的に割引を実施しているようです

更に、10月1日からは旅行代金の割引と同時に予約すると15%相当の地域クーポンも発行されます。こちらのクーポンは旅行先の登録店で利用できるはずですが、まだ始まったばかりということもあり、ネットを検索しても旅行前には詳しい情報をみつけることが出来ませんでした。

▲ 人のいない関空。未だ閉まった店が数多く、半年前の訪日インバウンド客で溢れていた頃とは別世界です。チェックインから手荷物検査まではスムーズでした

那覇に到着し、ホテルにチェックイン。スタッフは全員がマスク着用など、安心安全対策が導入されていました。宿泊中はホテル内のレストランでのコース料理やアクティビティ、スパトリートメントが25%オフなど、夏休みのピークシーズンが終わり宿泊客数が少ないなか、顧客単価アップを意識したホテル側の対応が伺えます。

10月上旬の沖縄本島は夜になると少し肌寒いものの、日中は30度を超える気温でプールや海でも泳げます。

▲ 京都は既に秋模様ですが、沖縄はまだ夏!でした

ホテルの出入りには毎回検温と手消毒が必要だと伺いましたが、実際に滞在してみると時間によっては検温のスタッフがエントランスに居なかったり、ビーチへの横道を通ると検温なしで施設に入れました。また近辺の飲食店も入店時の検温や座席間に敷居を設置したりと、きめ細かな衛生対応を用いた店舗もありましたが、コロナ対応が全く無い店舗もあり、地域内でばらばらな印象です。提供者と顧客、お互いの安全確保の為にも観光地は最低限のコロナ対応を統一化できることが望ましいはずです。

宿泊先では朝食のビッフェサービスはなく、その代わりにメニューからのテーブルオーダー形式でした。朝からがっつり色々試せるビッフェがないのは寂しいですが、今は仕方がありません。この先には、with コロナ時代のニューノーマルに向けた対応に期待です。こういった新たな試みをはじめたホテルもあるようです。

星野リゾート、「新ノーマルビュッフェ」のレストラン営業開始:
www.hoshinoresorts.com/information/release/2020/06/93930.html

▲ 地域クーポン対応を示すポスター

地域クーポンに関する連絡は現地到着後にメールで受け取りました。地域クーポンは旅先でしか利用できず、出発・チェックアウト日が期限日です。クーポンは旅行初日にはじまったばかりで、現地でも混乱しているようでした。ホテルや店舗も入口にはクーポン対応に関するポスターが張ってあったのですが、実際に利用しようとすると、GoTo トラベル事務局からの登録確認待ちであったり、紙クーポンが使えても電子クーポンに未対応であったり。10月3日に利用を試みた際には、公式サイトで見つけた4件中の3件が実際には電子クーポン未対応でした。今後は対象店舗が増えていくはずです。

地域クーポンはお土産物などのモノだけでなく、飲食やアクティビティなどにも千円単位で利用できます。電子クーポンの使い方は PayPay などのQRコードの電子マネーに使い慣れているユーザーであれば簡単です。ただ、ユーザー確認の為の「reCAPTCHA」と呼ばれる画像認証がちょっと面倒でした。

▲ 「私はロボットではありません」というチェックボックスにチェックを入れさせた後に、指定した画像をすべて選択させるシステム。間違えやすいので面倒です

開始当時は対象外であった東京都が10月より追加され、航空会社の予約件数も伸びているようです。

GoTo 東京追加で航空2社の風向き変化、国内旅客5割程度に回復へ:
www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-10-06/QHJT9XDWRGG001

10月からは外食の割引である GoTo イートがはじまりました。その他にもGoTo イベントやGoTo 商店街といった様々なキャンペーンがこの後にも計画されています。冬になるとインフルエンザと新型コロナウイルスがダブルパンチで流行することが警戒され新型コロナウイルスの収束時期が未だ見通せないなか、GoTo キャンペーンは景気の後押し対策としてサービス・観光業の効果的な下支えになることが期待されます。しかし、GoTo は一時的な「期間限定」政策です。今はほぼ5割引、例えば一泊5万円のホテルに2万5千円以下で宿泊できますが、キャンペーン後には値段が倍の定価に戻るので、その際に消費者にとって旅行がより割高に感じてしまうのでないかと懸念します。そうなると再び需要が鈍化する可能性がありそうです。例えば以前、グリーン家電エコポイント制度のおかげでデジタル対応テレビが爆売れしましたが、還元キャンペーンが終わった途端に需要がなくなり、大幅変動減してしまったことがあります。こういった過去の類似還元キャンペーンの教訓からも観光業者は同じ罠にはまらないよう、 GoTo の恩恵に依存することなく、いずれは戻ってくるはずの訪日インバウンド対策など、アフター GoTo を踏まえた経営戦略を今から見据える必要があるように思います。