観光MBA×企業派遣

企業派遣

9月のKCB Radioのテーマ「京大・京大MBA」に沿って、こちらのWEBでも今月は京大MBAに関する情報を発信させていただいております。昨日はKCB Radioにて私の大先輩、ワンワンさんをお招きして企業派遣やワンワンさんの観光MBAでの学び、卒業後の進路についてお伺いいたしました。これから受験を考えている方、在校生にとってとてもためになるお話が満載ですので是非、YouTubeチャンネルもご覧ください。そこで今回はラジオでもちらっと触れられた企業派遣についてお話させていただきます。以前のKCB RadioでOZとWild81さんによる仕事と学業の両立のポイントやサラリーマン学生について紹介されておりましたので、それとの違いにも注目していただけたらと思います。

何度かお話させていただいておりますが、私は旅行会社に勤務しており、観光MBAには企業派遣で進学いたしました。そのため卒業後は所属元の企業に戻ります。どこの部署に戻るかはギリギリまでわからないので今からドキドキしております。

企業派遣とは

企業派遣とは、会社の人事制度の一環として、将来の幹部候補となる若手人材を、国内外のビジネススクールに派遣することをいいます。(All aboutより)

参考 企業派遣と私費でのビジネススクール進学All About

私が所属する会社は人財育成にかなり力を入れており、広くツーリズム産業の発展に貢献する人財の育成を目指して、日々の業務に必要な基礎知繊やビジネススキルから経営人財育成プログラムまで、社員の能力や階層に合わせて成長できるカリキュラムがあります。指名制ではなく、挙手制で、手を挙げれば誰にでもチャンスがある研修制度が豊富にあります。その中に京都大学及び一橋大学の大学院MBA進学コースがあり、京大MBAコースに手を挙げ現在に至ります。大学院進学コースでは丸々2年間勉学に励む環境が整えられており、在学中は年に2回社への報告会があること以外は、学業に専念できるようになっております。企業によっては人事部付けで採用活動の補助や、休日は出勤というケースもあるようです。

京大MBAの企業派遣の割合

私が知る限り、全コース含め100名近く在籍する京大MBAの同級生の中で企業派遣として進学している方は私を含め2名のみ(観光MBAコース1名、ファイナンスコース1名)です。今年卒業された先輩方の中でも2、3名だったと記憶しており、かなり少ない印象です。企業派遣よりも、ご自身で事業をされている社会人が多いイメージです。一方一橋大学は具体的な数字はわかりませんが話を伺う限り、京大MBAよりも少し多いようでした。

サラリーマン学生との違い

①学業に専念

サラリーマン学生は働きながら大学院で学ぶことから学業と仕事の両立が必須ですが、企業派遣の場合(自社の場合)は実務から離れて学業に専念できる環境があります。そのため時間があります。集中して学ぶことができますが、2年間という時間を有効的に使うのも、無駄にしてしまうのも自分次第で、まさに自分との闘いだと感じています。

②金銭面

ワンワンさんのお話にもあった通り私が所属する会社の場合、お給料が出る+学費を負担してくれているため、手厚いサポートがあります。

企業派遣ならではのこと

①自社について客観的に見ることができる

一度実務から離れ外から自社を見ることができるため、自社の良い所、そして課題に気づかされることが多々あります。簡単な例ですが人的資源管理論の授業において、会社の人事制度や働き方についての内容があり、営業時代は会社の制度に不満を持っておりましたが、調べてみると知らないだけで実はあらゆる取り組みがされており、様々な制度があることに気づかされました。そしてそういった制度の浸透や活用方に課題があると感じました。

②「会社に貢献する」の観点で行動

復帰後は「学んだことを会社に貢献する」ことが大前提のため、いかに社に貢献できるか、どういったスキルを身につけるべきかを考えながら講義を受講することを心がけております。

③ただならぬプレッシャー

私個人の意見ですが、2年間みっちり自分と向き合い、勉強する機会を与えてもらうため、社業へ復帰後いかに学びを活かすか、いかに活躍するかという点で今からかなりのプレッシャーを感じております。

④キャリア開発

まだ終わっていませんが、この2年間を通じて学びだけでなく自分自身と向き合うことで、入学前に比べキャリアビジョンが明確になっていきました。将来自分がやりたいこと、できること、足りないスキル、課題が明確になり、今そしていつまでに何をするべきかが明確になったと感じています。人生設計においても大きな影響があったと感じています。

企業派遣であることの良し悪しはたくさんありますが、こうした貴重な機会を与えてくれた会社に感謝しています。そういった意味では会社へのエンゲージメントの向上や離職防止の効果があると思いましたが、会社以外の世界も広がるので、どうなのか・・・と気になるところです。

卒業まで残りわずかとなりましたが、残りの学生生活、悔いのないように過ごしたいと思います。

最後に、こちらにはMBAの投資効果、MBA教育の意義についての直樹先生の記事が掲載されておりますので、是非ご覧ください。

参考 MBA、投資効果が多様化日本経済新聞