大学は他学校と関係を持ち、教育や研究体験を深めるために、海外の学校と交流協定を結んでいます。交流協定といっても戦略的提携であったり、交換留学を促進するための大学間学生交流、日本と海外の2つの学位を取得できるダブル・ディグリーなど様々です。
京都大学の交流協定に関しては随時こちらのページに更新されています:
www.kyoto-u.ac.jp/ja/international/global_bridge/exchange
大学間だけでなく、各学部間でも協定は存在します。例えば京都大学経営管理大学院(GSM)は北京大学や、シンガポール経営大学、国立台湾大学、フランスのアムリオンビジネススクールらと部局間交流協定を結んでいるので、それらの教育機関と海外研修や共同研究、ワークショップ等、多彩な交流活動が行われています(2020年8月時点):
www.gsm.kyoto-u.ac.jp/ja/applicant/international.html
どうして交換留学なのか?
GSM では交流協定を結んでいる大学への交換留学プログラムが提供されています。期間は海外の大学によって異なりますが、3〜6ヶ月くらいです。交換留学プログラムに参加する目的は各自様々ですが、一般的には以下のメリットが考えられます。
😀 授業が受けられる!
受入れ先の大学での授業に参加し、単位を取得することが可能です。MBA ではブランディングに特化したり、プロジェクトファイナンスや CSR に重視したコースなどが存在するので、日本で学んだことを比較したり、新たな専門的な科目を履修したりできます。
😀 海外で生活、旅ができる!
期間限定で海外に暮らすことができます。受入れ先の大学の寮に入ることも可能なので、生活費をおさえられそうです。
😀 留学生との交流!
受け入れ先の大学よって留学生の割合は異なりますが、シンガポール経営大学のように過半数が海外からの学生のような教育機関もあり、そういった大学では留学生との交流・ネットワーキングが盛んなようです。
😀 語学が学べる!
日本に暮らしていると、例えばドイツ語を学んでもなかなか練習する機会がありませんが、留学中は日常生活で実践できます。
😀 学費の利点!
通常の海外大学への入学であれば、留学生としての学費が発生しますが、交換留学プログラムでは京都大学の学費で海外の大学に通うことが出来ます。例えば、アムリオンビジネススクールの学費はおよそ年500万円(38,500ユーロ)ですが、京都大学の学費、53万5800円で受講できます。
MBA の交換留学では講義内容を理解し、グループワークに参加したりレポートを書けるレベルの英語力は必要です。ドイツやフランスであっても MBA 講義は英語が主要言語です。受入れ先によっては TOEFL iBT 100、IELTS 7.0 以上といった条件がついている場合もあります。

新型コロナウイルスの影響
MBA 1年目より海外交換留学に興味があったのですが、京都大学での授業が楽しく、基礎科目に追われたので、初年度の講義や課題が落ち着いた今年の1月中旬から交換留学プログラム申請の準備をはじめました。北京大学に行きたかったので、中国からの留学生に現地での生活や大学キャンパスの雰囲気に関して伺いました。既に中国では新型コロナウイルスが広まっており「きっと中国への留学は難しい」とのアドバイスも受けました。その後、新型コロナウイルスに関するニュースが広まりはじめ、京都でも第一感染者が確認された時点で事務掛担当者の方から「中国への渡航は推奨できない」との連絡があり、北京大学は断念しました。
その次は8月から新学期がスタートするシンガポール経営大学とタイのチュラロンコン大学にターゲットを絞りました。理由は共に以前旅行で訪れた際に人や町並みが好印象だったこと、シンガポール経営大学は口コミ評価が高いこと、チュラロンコン大学はマーケティングとブランディングに特化したコースが提供されていたからです。半年もすればコロナは収束するだろう、とその頃は甘く考えていました。どちらかを第一希望に選ぶ必要があり迷ったのですが、知人の出身校で以前一度キャンパスを訪問したことのあるチュラロンコン大学を選択し、3月上旬に申請書を提出しました。

申請後にはチュラロンコン大学から留学に向けた詳細が届きましたが、3月の終わりにかけて感染防止を目的とした日本〜タイ、シンガポール間の国境規制がはじまり、日本でも緊急事態宣言が発令された後の4月中頃にはチュラロンコン大学より交換留学プログラムのキャンセル通知が届きました。
こちらのブログを書いている9月上旬には、国境規制は緩和されつつあるものの、未だ留学や観光目的でタイやシンガポールには渡航できない状況です。各国の冬学期の交換留学プログラムも引き続きキャンセルされています。残念ながら来年3月に卒業予定MBA 2年生には在学中の交換留学の選択肢がほぼなくなりました。
これからどうなるのか
交換留学プログラムの再開は新型コロナウイルスの感染拡大状況とワクチン開発と流通次第でしょう。このブログを書いている時点で EU 各国への学修を含む「必須な渡航」は14日間の自己隔離期間と共に認められるようになったので、来年にはドイツやフランスの大学との交換留学プログラム再開を期待できるかもしれません。また、渡航ができても、オンライン授業を継続する大学も残るかもしれません。折角、海外に行っても zoom で授業、自粛でのびのびと毎日を過ごせない、といった状況は避けたいので、交換留学を考えるのであれば各大学のウイルス対応状況に関する情報収集が必要です。
留学再開&入国制限情報に関しては、留学プレスのウェブサイトがおすすめです:
www.ryugakupress.com
そこまでして海外に行くメリットがあるのでしょうか。with コロナ時代の海外留学には受入れ体制や二次三次感染に関する不安が残るかもしれませんが、安心安全を確保できるのであれば、渡航を検討する価値はあると思います。大学生活中に他国の文化に触れることは、価値のある貴重な経験になるはず。卒業後にフルタイムで働き始めると、きっと3ヶ月も会社を休んで海外で学ぶことは難しくなるでしょう。感染拡大状況が落ち着いた際には、これを読んでいる大学生の皆さんも是非、日本での学費で海外の大学で講義を受け、少し期間でも外国で暮らしてみるチャンスを検討してほしいと願います!
交換留学プログラム経験者の声:
www.gsm.kyoto-u.ac.jp/ja/links-ja/student-voices/completion/2441-20190403.html
www.gsm.kyoto-u.ac.jp/ja/links-ja/student-voices/completion/2754-20200403-5.html
[…] 京コネ仲間のchikaraさんは現在海外留学を検討しています。コロナのため今年の夏のタイ留学は断念する必要があリましたが、来年以降の留学に向け着々と準備を進めています。chikaraさんのブログ「with コロナ時代の交換留学プログラム」では、京大MBAの交換留学情報がまとめられています。 […]