銭湯/温泉と京都

銭湯と温泉?

銭湯や公衆浴場っていつできたかご存知でしょうか。

今昔物語(日本最古の説話集です。年代は11世紀~12世紀)には、既に「湯あみ」という言葉が多用されています。

今昔物語からの引用
今は昔、信濃の国に筑摩(つかま)の湯という、多くの人が「薬湯なり」として湯浴みに来る温泉があった。ある夜その温泉の里人が夢を見た。それは人がやって来て、次のようなお告げをする夢であった・・・・・
by 今昔物語・巻第十九、第十一話

信濃の国=長野県にある 
筑摩の湯=「浅間温泉説」と「美ヶ原温泉説」の2つの説があるそう
に多くの人が来て湯あみに来た。

なるほど。11世紀というと平安時代(794-1185)~鎌倉時代(1185~1333)らへんですかね。この頃には「湯あみ」の概念があったんですね。

「東山へ湯浴みにとて人を誘ひ」という文言も今昔物語の中に見つけられるそうです。ということは、京都【東山】にも湯浴みの文化はやはりあったようです。

銭湯は温泉?

温泉と銭湯の違いってなんだろう…
温泉は、温泉法第二条によって定められた自然から湧き出るお湯またはガスです。対して、銭湯はその名の通り、お湯を貸してお金をとる、公衆浴場です。古くは「風呂屋」、「湯屋」とも呼ばれました。沐浴の習慣は、仏教とともに日本に広まったとされますが、銭湯のはじまりは平安時代末期の京都に登場した「湯屋」と言われています。
参照:温泉大辞典

漫画【るろうに剣心】は明治時代のお話ですが、確か志々雄真実(ししおまこと)が身体を癒すために湯治をしていましたよね。
もう明治時代だと銭湯や温泉は普通の概念として受け入れられたんでしょうね。

▲出典:るろうに剣心 湯治中の志々雄真実さん 

ちなみにこの湯治のために、逗留していたのは新月村と呼ばれる村にある温泉だそう。(調べましたが新月村は京都にはありませんでした…)


京都にある温泉と銭湯

京都には一体温泉や銭湯はあるの?ということで調べてみました。

▲京都府に点在する温泉一覧

北は天橋立やら京丹後から、南は奈良との県境まで、実に多くの温泉が点在しています。

続いて銭湯は京都市にはどれだけあるの?

こ、これは・・・・数が多すぎますね。

全部紹介していたら途方もないので、今回は「最古の温泉」と「面白い銭湯
のご紹介をします。


京都最古の温泉は木津温泉

木津温泉は京都府内で最も古い温泉と知られ、別名「しらさぎ温泉」とも呼ばれています。 奈良時代の僧侶行基が、シラサギが傷を癒しているのを見て発見したという伝承が残っているそう。
コロナにも似ていますが、天平時代(729年‐749年。 天皇は聖武天皇の時)に天然痘が流行ったそう(当時の死亡率は30-50%)で、これにより貴族だけでなく農民にも感染の拡がりをみせ、飢饉が起きたそう😢
皮膚病の一種が治るということで、僧侶である行基さんが「しらさぎ温泉の温泉浸かりなはれ」ということを説いて回ったという歴史があるため、京都では最古の温泉であると言われているそう。

中々京都市内にお宿をとられている方が京丹後まで足を延ばすことはないかもしれませんが、天橋立や、京都北部に行く際には是非立ち寄ってみてください。

参考 木津温泉・夕日ヶ浦観光協会yuukan.com/

京都市のキング銭湯・船岡温泉街

京都には既出の通りたくさんの銭湯があり、湯の文化が根付いています。

中でも船岡温泉は2003年に「有形文化財」の登録を受けた珍しい銭湯。
京都では初のことらしく、大正から創業しているという歴史を感じられる銭湯です。「温泉」という名前が付くのですが、「銭湯」なんですね。

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▲由緒正しき入り口

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▲天井の風景。牛若丸の彫刻。このほかにも、欄干の透かし彫りが豪華絢爛。
京都三大祭りの一つ、葵祭の行列や、上賀茂神社の賀茂競馬、今宮神社のお祭りの様子などが彫られているそう。

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▲銭湯なのに露天風呂があるのも趣があっていとをかし。
渡り廊下の欄干は千本鞍馬口にあった菊水橋を移築したものだそうでこれもゴージャス。

是非京都に来たら行ってほしい銭湯の一つです。駐車場も無料で完備されているので、少し遠方から車でのアクセスも〇です。

アクセス

住所:〒603-8225 京都府京都市北区紫野南舟岡町82-1
TEL:075-441-3735

電車・バスの場合

京都駅より市バス206系統、千本鞍馬口バス停下車、徒歩約5分。
地下鉄鞍馬口駅から徒歩約20分。


豆知識

京都ゆかりの五右衛門風呂…

かの有名な石川五右衛門(盗賊のお頭)は、豊臣秀吉の命を受けて、京都は三条河原で釜茹でになりました。。。今はカップルの聖地なのにぃいい。
五右衛門のお名前の通り、五右衛門風呂はここから来ています笑

wikipediaより引用

京都の銭湯・温泉特集、いかがだったでしょうか?

本当はもっと自分が良く行く銭湯や温泉も紹介したかったのですが、大御所をあえて紹介してみました。

歴史と関連付けて紐解く京都はいつも知的好奇心を駆り立たせくれるので面白いです。
京コネメンバーさきちゃんの持っている京都検定にもいずれ挑戦したいなと思います。

それではまた来週( `ー´)ノ