劇団の京都:マレビトの会、地点、Mono

東京では下北沢や高円寺、駒場や池袋周辺など小劇場が数多くあり、週替りで演目を選べます。昨年には東九条に E9 がオープンしましたが、京都市内のミニシアターは未だ数少ない状況です。今回はおすすめの京都ベースの劇団をご紹介します。

▲マレビトの会をはじめて観たのは「HIROSHIMA-HAPCHEON 」、フランク・ロイド・ライトが設計した自由学園明日館での展覧会形式演劇です。複数のステージにわかれていて、各ストーリーはそれぞれ独立しているようでしたが、時折聞こえる零戦の音により同じ時間と場所を共有していることに気づく作品でした。その後に観た松田正隆氏と青年団のコラボ「月の岬」は第5回読売演劇大賞を受賞、これがはじめての平田オリザ氏が演出された作品の観劇でした、是非また再演してほしい舞台です
▲はじめての劇団「地点」はイェリネクのテキストを舞台化した「光のない。」です。当時のフェスティバル/トーキョーは3/11震災後であったこともあり、原発や津波、生命に関する舞台が数多かった中、建築家の木津潤平氏の吸い込まれるような舞台装置、観る人によって捉え方が異なる多義性のある台詞、特殊で忘れられない発声に衝撃を受けました。この後には北白川アンダースローで「ファッツァー」やチェーホフの「かもめ」「三人姉妹」などを観ています。昨年より代表である三浦基氏のパワハラ問題とその後の雑な対応が SNS で話題になっていますが、素晴らしい役者さんが揃っているので、今後もできれば続いてほしいと思います。
地点がたまにコラボしているバンド「空間現代」のイベントスペース「外」もこの近くにあります
▲劇団 Mono は立命芸術劇場から派生したそうです、2019年が第46回公演。はじめての舞台は三鷹で観た「地獄でございます」、地方にあるそうなサウナでみつけた経路が地獄とつながっているというお話。笑えるだけでなく、極楽と地獄は紙一重なのかも、とメタフィジックス的に考えさせられる舞台でした。同時期に劇団代表の土田氏はドラマ「東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン~」の脚本を書かれています