先日人生の節目の年を迎え、密かに今後のテーマとして「大人のレディになる」ことを掲げております。
そんな中、和の文化に触れてみようと西陣織会館に行ってまいりました。
京都の美しい文化の一つと言えば「西陣織」という認識はありますが、「古くからある綺麗な織物」程度のイメージしかなく・・・。
調べてみると奥が深く、歴史のある重要な京文化でした。
西陣織とは、先に色を染めた糸を使い、模様を織り出す高級な紋織物(もんおりもの:たて糸とよこ糸を複雑に組み合わせて模様を織り出した織物)のことを指します。京都・西陣で生産される多品種少量生産が特徴で、1976年に国の伝統的工芸品に指定されました。
伝統的工芸品産業の振興に関する法律で西陣織の品種が指定されており、全部で12種類あるそうです。
まずは歴史から。西陣織の歴史はなんと、500年以上も前からだと言われています。
そもそも京都で織物作りが始まったのは、桓武天皇によって平安京が築かれるよりも前の5世紀頃のことだったそうです。
平安遷都とともに宮廷の織物を管理していた「織部司(おりべのつかさ)」と言う役所が置かれ、宮廷の織物づくりから発展したといわれています。
平安時代の中頃からは私織が盛んに行われ、官営の織部司は廃止され、民業の機織が発展したそうです。
1467年の応仁の乱で、山名宗全率いる西軍がこのエリアに陣地を構えたことから「西陣」という名前がつき、10年以上続いた内戦後、堺や奈良に避難していた織物職人たちは京都に戻り復興させ「西陣織」が誕生したのです。
明治時代初期には近代化をはかるため、ジャカード機械織機(厚紙でできた穴を開けたカードを用いて、カードを入れ替えることで布の模様、織機の操作パターンを簡単に変える機械)を輸入し、絹織物の先進地となったそうです。(西陣織会館HPより)
現在は着物や帯地にとどまらず、ネクタイやショール、小物、バッグ、インテリアに形を変えて発展し続けています。最近はマスクも作られていて、西陣織会館で販売されていました。
西陣織会館は3階建ての施設で、西陣織の歴史や工程の紹介、きものショー、織物体験ができ、西陣織について観て、学んで、体験することができます。
1階には、西陣織のネクタイの販売スペース、レストラン・喫茶があり、奥の壁には歴史や西陣織ができるまでの工程が紹介されています。


2階には西陣織工芸品の販売と職人実演スペースがあり、織る過程を目の前でみることができます。じろじろ見すぎると実演の方に笑われます(笑)

西陣織の完成までには20以上の細かい工程がありました。繭から糸を作るところからデザインを描く作業、デザイン通りに機械を動かすための準備、実際に織る過程などなど・・・。
西陣産地では、これらの工程がすべて分業で行われており、図案家、意匠紋紙業、撚糸業、糸染業などの業者が独立して企業を営んでいるそうです。これらの業者は西陣の地域で織屋と一体になって存在し、約200もの企業がそれぞれの仕事を分担しているそうです。
3階には資料室や工房、きものショーのスペースがあります。現在はコロナで中止しております。
西陣織会館
■拝観時間 10:00~18:00(3月~10月)/10:00~17:00(11月~2月)
■拝観料 無料
■休刊日 年末年始(12月29日~1月3日)
■交通 地下鉄今出川駅下車 徒歩約7分
■詳細はこちらを:http://nishijin.or.jp/nishijin_textile_center
お隣には伴戸商店さんという金襴の専門店があり、NHK大河ドラマの麒麟がくるや、au三太郎シリーズの鬼ちゃんの衣装にここの金襴が使用されているそうです。
この記事を書きながら思い出したのですが、京大の特別講義で西陣織の株式会社細尾さんが講演に来られたことを思い出しました。西陣織界にイノベーションを起こし、クリエイティブな発想でどんどん進化している秘話や想い、取組事例についてお話しいただきました。
着る織物という概念にとどまらず、様々な企業とコラボし、リッツカールトン東京では、壁紙やカーテン等で細尾さんの西陣織が使用されています。
教科書をもとに経営学を体系的に学ぶだけでなく、実際のビジネスの現場のお話を伺い、学び、刺激を受けることができる点も大学院の魅力であります。
あっちなみに西陣会館を出て堀川通を右に進むと晴明神社があります。

「鴨川ホルモー」の主人公、安倍明のモチーフである平安時代の陰陽師・安倍晴明が祀られています。陰陽道を取り入れた奇抜な設定やオニの顔の由来もここに隠されています。




探してみてください^^
この辺に行かれた際は是非、お参りください。