ご無沙汰してます、Wild81です!
今回は私が尊敬する建築家である安藤忠雄さんの作品を紹介いたします。日本を代表する建築家安藤忠雄さんです。
折角の機会なので安藤さんと私の出会いのきっかについてもご紹介させていただきます。出会いは”建築を語る”という1冊の本でした。この本は、建築の素晴らしさだけでなく、旅、芸術、学び続けることの大切さを私に教えてくれました。私の人生を変えた1冊です。本で人生って変わるもんなんですね笑
”建築を語ろう”に出会った当時、私は23歳でした。これっぽっちも建築に興味を持っていなかったのですが、たまたま前職の同僚が建築学部出身で、その同僚の好きな建築家の話題になって紹介されたのが安藤さんでした。その日の帰りに新大阪駅の本屋さんに立ち寄った際に、”まー買ってみるかー”程度の想いで購入したのが”建築を語ろう”です。この本を読んで以来建築に興味が拡がり今に至っています笑 建築、旅、芸術に興味のある方や、人生に悩んでいる方にお勧めの1冊なので、ぜひご一読してみてください。
私自身、安藤さんの前向きな心、どんなことにも屈しない強い気持ち、全力でプロジェクトに取り組む姿勢からたくさんのことを学ばせていただいています。最近では、大阪の中之島に安藤さんが寄附をして建設された”こども本の森”が竣工しました。新型コロナウイルスの影響でオープンが延期されていましたが、ついに7月5日にオープンするので、娘たちを連れて早速見学しに行ってみたいと思います。

そんな安藤さん。京都にも複数の素晴らしい建築を残しています。その一つがTIME’Sです。高瀬川を取り込むようにデザインされており、安藤さんも”TIME’Sは川を見るだけで十分心豊かになる建築にしたかったのです。”と仰っております。今回は法律と闘う安藤さん視点で、TIME’Sをご紹介させていただきます。

まず河川法との闘いです。前面に流れる高瀬川水深は数cmしかありませんが、1級河川に認定されており、絶対に護岸を切れないという制約があったそうです。安藤さんは子供たちが直接川に降りて遊べるような設計案を行政側に提示したようですが、全く認めてもらえなかったそうです。しかしながら、そうした格闘を経て実現した地下1階のカフェからの眺めは秀逸です。目の前に拡がる高瀬川と木屋町通の景色は、京都情緒溢れるものとなっております。ぜひ一度足を運んでみてください。個人的には、子供たちが高瀬川で戯れる夏の風景もみてみたかったです。

2つ目は都市計画法との闘いです。1期工事はコンクリートブロック造となっています。安藤さんといえばコンクリート打ちっ放しのイメージがありますよね。これにも法的な理由があったようで、敷地が都市計画道路のかかっていたために、2階建かつ解体を容易にする軽い構造(コンクリートブロッック、鉄骨、木造)の建築しか許されなかったようです。そのため、この建物は地下1階+2階建と構造となっており、かつ1期目の構造はコンクリートブロック造となったようです。
TIME ‘Sは、建築家が法律、条例、オーナーからの要望等、色々な制約を受けた上で自分の信じるデザインを実現していく”芸術家”であることを再認識させられる建物です。京都にはたくさんの大学がありますので、建築業界や芸術分野で将来活躍を志している若者の皆さんにもお勧めの建築です。ぜひ一度足を運んでゆっくり鑑賞してみてください。

法律との格闘の末に生まれた安藤さんの代表建築の一つであるTIME’Sですが、個人的には課題もあると感じています。テナントがなかなか定着しない点です。アクセス・アプローチの難しさなどが一因かもしれません。良質なデザインの建築と商業テナントのコンビネーションの難しさもみて取れます。そういった面でも勉強になる建築です。
TIME’Sがある木屋町三条通界隈には幕末京都が大好きな人には堪らない、池田屋跡地、酢屋、龍馬通りなどもありますので、ぜひ一緒に堪能いただければと思います!
それでは、また!
■設計 安藤忠雄/安藤忠雄建築研究所
■竣工 第1期 1984年、第2期 1991年
■構造 補強コンクリートブロック造(第1期)、RC造(第2期)
■所在地 京都府京都市中京区三条通河原町下ル
■アクセス 阪急「河原町」駅から徒歩10分
京阪「三条」駅から徒歩3分
[…] 参考 心の赴くままに:安藤忠雄×TIME’STIME'S […]