「吉田寮に到着〜、次は京都大学ー、京都大学ー」という案内が聞こえてきそうな看板です。吉田寮前に設置されているのでぜひ見つけてみてください!
私は観光経営科学コース(通称:観光MBA)に入学しました。このコースは2018年度に開設されたばかりのコースなので、入学してくる連中も尖った方々が多いのが特徴です。お陰でとても刺激的な仲間に巡り会うことができました。本当に感謝です笑
私がこのコースを選んだ理由の一つに、大学の資源を活かしたツーリズムで大学と地域の持続可能性を追求できないか?があります。端的にいうと大学の観光地化です。その視点の話を少し述べさせていただきます。

北米の大学に訪問した際に、一番衝撃を受けたのは、大学が街と溶け込んでいることでした。地域の方々が大学構内を自由に散策し、大学が提供しているあらゆるサービスを楽しんでいる印象を受けました。あらゆるサービスとは博物館、美術館、映画館、エクササイズ、リカレント教育等のことを指しており、大学のど真ん中のサービスである教育・研究を昇華させたサービスです。学生だけでなく地域の人たちに大学が愛されているのを痛感しました。
見習う点が沢山見つかりましたし、国内の大学の可能性とポテンシャルに気づくことができました。北海道大学、東京大学、ICU、早稲田大学、慶應大学のように大学を積極的に地域に開放し、地域の方々に愛されるキャンパス創造を試行している国内大学は数多くありますが、まだまだやれることは沢山あると感じています。
せっかくなんで今回は色々な縁を現在進行形で紡いでくれている京都大学を例に挙げて大学の魅力的な観光コンテンツを複数回に分けてご紹介していきます。
私が建物好きなので少し建物に偏ったご紹介になりそうですが、建物だけでなく面白いコンテンツもご紹介していきます。第1回目にあたる今回は4つの歴史的な建築物にフォーカスさせていただきます。建築に興味ある方、京都のアカデミックな雰囲気を堪能したい方にはおすすめの建築群です。

▲まずは正門入ってすぐの時計台。1925年に竣工。建築学科初代教授 武田 五一氏が設計した建物で京大を代表する建物です。ゼツェッション的な意匠を随所に留めており、その外観は格調高い風格を備えております。入学式当日の記念撮影、同期の結婚式お祝い動画の最終シーンとしても活用させていただきました。

▲吉田寮。1913年に竣工した日本最古の現役学生寮。事前申し込みが必要ですが、見学案内が随時開催されています。昨年度後期のサービス創出方法論(山内裕先生)の課題対応のため友人の寮生に何度かお願いして寮内を見学しました。日本最古の学生寮として見応えかなりあります。

▲1922年に竣工した工学部建築学教室本館。こちらも武田五一氏が設計。京大最初の鉄筋コンクリート造りで瓦屋根でない建物で、左右対称の重厚な意匠が特徴的です。小豆色したタイル、正面と背面にあるカーブした壁面、頂上部の帯状の装飾とパラペットなど、当時としては斬新なデザインが複数取り入れられています。サービス創出論の課題でここを食堂にする案も検討しました笑

▲1930年に竣工した旧演習林事務室。北部構内の特徴的な建物の一つです。スパニッシュ瓦葺、ベランダをめぐらしたバンガロー風の木造建築で、天井の意匠などモダニズムの清新さ溢れる建物に仕上がっています。また、約20年前に登録有形文化財建造物として登録された価値の高い建築物です。この建物もサービス創出方法論の際に食堂にする案を検討しました笑